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SUS442という選択

一般常識としてステンレス素材の中で、SUS304ステンレスが一番良い素材だといわれてきました。確かにそれは一般的な工業製品用としてクオリティーの高いステンレスであることは間違いありません。主な使用例として「流し台」「手すりパイプ」「ディスプレイ用品」などの製品です。それはあくまでも高熱にさらされない環境で使用することを前提としています。また近年、モータースポーツの世界では車両重量を軽くする目的でチタンやインコネルを使用しています。それらはステンレスよりも膨張係数が少ないものの、軽量化目的であるため1.0mm厚の素材を使用しており、特に溶接部分の破損リスクが高く、レーシングカーに比べメンテナンス頻度が低いロードカーを前提とした場合、耐久性の面で問題があると考えます。

ではエキゾースト部品に適した素材とはどのようなものでしょうか?

自動車メーカーも純正部品として先に挙げた素材を採用していません。その理由はコストの問題よりも、ロードカーのエキゾースト部品には不向きな材料だということだけです。自動車メーカーは当初スチール(鉄)を採用していましたが、1970年頃から1975年頃までは錆対策が始まり、亜鉛系の表面コーティング(メッキ)の材料に変更しています。その後1985年頃までアルスター表面コーティング(アルミ系メッキ)などさまざまな素材を使用していましたが、現在ほぼすべての自動車メーカーは、鋼材メーカーと共同でSUS410ステンレスというエキゾースト専用素材を開発し使用しています。

パワークラフトでは、自動車メーカーが採用しているSUS410ステンレスより、さらにエキゾーストに適した専用素材SUS442ステンレスを開発しました。それは「熱膨張と収縮係数が小さく」「高温強度に優れ」「強固な溶接が可能で」「さびにくい」ロードカーに最適化された新素材です。

パワークラフトが長年蓄積した知識を基に、これまで盲目的に最良と信じられていたさまざまな素材の弱点を克服しました。 パワークラフトの製品は部品すべてが「MADE IN JAPAN」すべてがハンドメイドで1本1本丁寧に製造されています。